2011年3月10日木曜日

八百屋でバナナを見るように

この間、アルバイト先の同僚と広尾で飲んだ。
高級住宅として知られる広尾。
歩いている人もなんとなくお金持ちのような雰囲気を漂わせている。



閑静な住宅街。
土地も高いだろうから、建物もそんなに建っていない。
どこか静かで、落ち着い佇まい。
おひょいさんこと、藤村俊二のような街だ。



ふらふらと歩いていると、ポルシェを売っている店があった。
ビスタを売っている店は見たことがあったが、ポルシェを剥き出しで売っている店を見たのは初めてだった。
やはりポルシェの大物感はとてつもない。
日曜の夜なのに、一瞬で目が覚めた。



さらに驚いたことは、そのポルシェの店にお客さんがいたことだった。
黒いポルシェを半笑いで眺めている、40台前半の少し白髪がまじってきた男性。
腕を組み、店員さんと談笑している。



もうびっくりした。
まるで八百屋でバナナを眺めるようにポルシェを眺めている人が、この世の中に実際に存在しているのだという衝撃。
気に入ったら買っちゃおうかしらという姿勢が、その男性からは溢れていた。
男性のセーターには、優雅の二文字が縫いつけられていた。



たまに広尾みたいなところに行ってみると面白いかもしれない。
立ち飲み屋ばかりに行っていると、夢が消えていく。