2011年6月21日火曜日

世界の環境都市を行く

井上智彦、須田昭久編、「世界の環境都市を行く」(岩波ジュニア新書)を読みました。


現代の都市機能は様々な問題を抱えています。
大気汚染やゴミ問題。
エネルギー問題や、交通問題。
自然環境と、経済の対立。
そんな問題を解決しようとした、世界の都市計画の実例が紹介されています。


都市部の交通手段をバスや電車だけに制限して、交通問題をコントロールする街。
資源ゴミと野菜を交換する街。
自然環境と観光事業をうまく結びつけて、エコツーリズムを実践する街。
工場からの廃熱を、家庭の暖房器具に直接利用する街。
都市に吹く風の量や向きをコントロールして、生活環境を改善しようとする街。


東京に生きている僕は、普段都市の問題を何も意識しないで生きています。
誰が、どのようにして設計を計画したのかも分からない都市に、よく知らない人間とともに生きています。
それでも何とか成立している社会の存在に、改めて気づかされました。


そして何よりも驚いたのは、10年後、20年後の都市環境を考えて行動している人が、世界各国にたくさんいるということです。
自分が生きているかも分からない、10年後、20年後の未来の都市を、実際に作っている人がいるということ。


自分の作っているものがいかに小さいかを改めて認識させられました。
ブログでもなく、お菓子でもなく、車でもなく、都市という巨大な建造物を作っている人間がいるという事実。


大きさは関係ないのかもしれないけれど、やはり作るものの規模が大きければ、それだけ構成要素が増えて、問題もたくさん発生してくるはずです。
その苦労は想像を絶します。


僕の住んでいる街の駅前ロータリーがこないだ綺麗になりました。
混沌としていた駅前が、すっきりキレイになった。
やっぱり、ちょっとしたことでも、住みやすくなりました。


人間はちょっと、行き過ぎた感じがします。
もうちょっと自然に歩み寄ってもいいのかもしれない。
そんなことを考えさせられる本でした。